案内人のPONCHOです。
GWの3日に開催した奈良倉山ハイク&ヨガのレポートです。
3月、4月と悪天候でイベントを中止したので、久しぶりの開催。
この日も朝まで雨。天気予報は沿岸部強風と言ってましたが、
奈良倉山のある奥多摩付近は、ハイクを始める時間には雨が止んで
風も強くならないだろうと天気図から判断して開催決定。
穏やかな晴れ模様となりました。
ところで昨年まで北口にあった小さなバスロータリーは
この4月から南口の広々としたロータリーに移転。
乗客を案内して、行き先ごとに割引券や手書きの登山地図を配っていた
おじさんもいなくなってしまっていたのは、ちょっと残念・・・。
合理化とともに昭和な風景が、ここでも消滅してしまいました。
夜中にかけて強く降る雨予報だったことから
参加者さんからはドロドロの登山道になっていたら不安・・・
とのお問い合わせをいただきましたが、ココは落ち葉の森。
天然のスポンジが雨を吸い込むからドロドロになることはないですと返信。
実際、落ち葉を掘れば濡れていましたが、ドロドロの道はまったくなく、
「山によって違うんですね」と安心の声をもらいました。
奈良倉山山頂。ここまでの1時間ちょっとが急な登り。
雲がなければキレイに富士山が見えるところ。
今回は薄い雲にかすんだ富士山。
富士山はかすんでいましたが、
朝までの雨、それと平年よりも早い季節の進みは
萌える新緑の豊潤さを見せてくれました。
この山は紅葉も見事ですが、
新緑も燦爛で、全身に生命力を注いでくれます。
どこまでも広がる景色は胸がすく思いにさせてくれますが、
切り取られた小さな景色は、この一瞬の大切さを感じさせてくれます。
戦国時代、織田軍から逃げる武田軍の松姫が通ったという松姫峠からの登り。
この付近から大菩薩嶺まで続く牛ノ寝と呼ばれる稜線付近は、
大木が多く残っている森。
本当に美しい森なのですが、しかもGWなのですが、
すれ違ったのはトレイルランナーひとりのみ。
ちょい山CLUB参加者しかいない森のなかで、タオヨガ。
新緑のピークのなかで、シャバーサナ。
今回は木の幹に寄りかかって、より強く自然を感じ、
カラダのなかを巡るエネルギーに意識を集中させました。
山をハイクしているだけでは見逃してしまう風景も、
ヨガをすることでゆっくりとカラダに浸透させることができます。
終わりとも思えるけれど、
ゆっくりと進んでいる、
またはちょっと休んでいるだけかもしれない。
前へ前へとひたすらに進むだけが
時間の使い方ではないと教えてくれている光景。
これは、自然の造形?
それともクマの足跡?
シカやイノシシの痕跡が多く残る森には
春から夏へと季節が向かう喜びに喚起する
さまざまな鳥たちの唄が木霊していました。
そして樹齢600~700年といわれるトチの木。
今回はじめてわかったのは、
トチの木の葉とホウの木の葉が
よく似ていること。
植物を勉強している人なら当たり前のことかもしれませんが、
山を歩きながら、少しずつ覚え、しかしすぐ忘れ、
でも、なんだったっけ? とまた調べて思い出し・・・。
そんなことを繰り返しながら、本当に少しずつ知識が増えてきています。
山から染み出した水が集まり、
流れが見えてくると、もう少しで里へ出ます。
清冽な水を利用したワサビ田。
山を美しく保つことで、
その恵みをニンゲンは、いただいている。
人の手が入らなくなり、山が荒廃するといいますが、
それはニンゲンが上手に利用できなくなったということでもある。
利用するというのは、山を歩いたり、走ったりということも含まれる。
ボクらハイカーも、山を美しく保つことを考え、
その恵みをいただいていることを、意識したい。
ちょい山CLUBでは、4回目の奈良倉山ハイク&ヨガ。
春と秋、そしてそれぞれの年の春、秋、
訪れる度に違った美しさを見せてくれます。
次は今年の秋。
今度はどんな風景を見せてもらえるのか、今から楽しみです。
それでは、また、どこかの山で会いましょう!