案内人のPONCHOです。
今回はトレイルランニングシューズについて、解説しようと思います。
とはいえ、トレランの話だけではなく、
ハイク、トレッキングでも使える、トレランシューズの解説です。
ちょい山CLUB参加者の皆さんには、
防水透湿機能を備えたミッドカットのトレッキングシューズをおすすめしていますが、
山歩きに慣れた方であれば、
スニーカーのようなローカットシューズでも
特に2000m以下の低山のデイハイクであれば、
積極的に活用してよいと感じています。
なぜならデイハイクであれば背負う荷物が軽いし、
高山ではないので岩場も少なく、
重く硬いソールが必要とされるシーンが少ないからです。
でも山歩きに慣れていないt登山ビギナーさんには、
長時間歩く筋力もできていないので、
ある程度ソールに硬さがあり、足裏、足へのダメージを軽減してくれる
ミッドカットの軽量トレッキングシューズをおすすめしています。
さて、ボクがほとんどの山で履いているのは
ローカットのトレランシューズです。
通常のミッドカットのトレッキングが片足500g程あるのに対し、
トレイルランニングシューズは300g程。
この軽快さは、長時間行動する程に疲労の度合いの軽さに繋がっています。
とはいえ、登山ビギナーさんにおすすめしているのと同じように
トレランでも、僕の場合は50キロを超える距離のレースとなると
ソールに硬さがあるものの方がよい=足の疲労が軽減されると感じています。
そこで、今回ハイクでもランでも使うトレッキングシューズを新調するにあたり
ポイントとしたのが軽く、クッションがよく効いて、
かつソールに硬さがあるシューズでした。
選んだシューズは
HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)というブランドの『トレント』というシューズです。
HOKA ONE ONEは、厚底シューズとして知られているブランドです。
このトレントも他ブランドと比較すればミッドソールは厚めです。
でもHOKA ONEONEの中では薄めの部類です。
クッション性の高さ、足裏を包み込むような浮遊感は残しつつ、
足さばきのよさ、軽快さを装備したシューズといえます。
ボリューミーな見た目に反して、重さは片足254g。
ヒール部で23mm、前足部18mmのクッション性の高いミッドソールを装備しながら、
しっかりと軽い。これは長時間行動をする程に、ありがたさを実感できるでしょう。
★ミッドソールの反発力も高い!
またトレントは、ミッドソールの跳ね返るチカラも強いのです。
上の写真左がHOKA ONE ONEのトレント、右上はアルトラのローンピーク3.0、
右下はアシックスのゲルフジアタック5です。
いずれもボクがここ2~3年、履いてきたシューズなので、ややヘタっていますが、
アルトラが前足部から、アシックスが中足部からわずかなチカラで屈曲するのに対し、
トレントは前足部にカーブができるものの、
相当なチカラを加えてもグニャっとは曲がりません。
この曲がらないソールの硬さは反発力であり、前方向への推進力を生み、
高いクッション性とともに、足裏、足へのダメージを軽減してくれます。
ラン&ハイクで履きたいな! と思ったのは、この反発力の高さが一番の理由です。
★ソールの厚さは疲労の軽さ
写真左のアシックスのゲルフジアタック5は、中足部が薄く、
ミッドソールの反発力はあるものの、ボクのレベルでは長時間ランで
足裏にかなり負荷の掛かるシューズでした。
写真右のアルトラのローンピーク3.0は、ソールはやや柔らかめですが
クッション性が高く、前足部=足指の動きに連動したような曲がり方をするので、
疲労感の少ないシューズでした。
今回新調した写真中のHOKA ONE ONEのトレントは、前述の通り、ソールは硬め。
足裏全体でクッションを感じ、まだ数回した履いていませんが、
疲労はかなり少なく感じます。
ソールが柔らかく、かつ薄いシューズは、
当然ですが、ダイレクトに衝撃が伝わります。
トレイルランナー、そしてマラソンランナーのトップ選手は、
衝撃が緩和されるクッション性の高さよりも、
このダイレクトに地面を感じる足指感覚を好むことが多いです。
ボクも足裏と足の筋力強化のために、
クッションのない足袋のような5本指シューズを履いてランニングコースや山のトレイルをランすることがあります。
足裏全体で地面をやさしく置くような走り方をしても、
着地の衝撃が足にダメージを与え、疲労どころか、
ふくらはぎの筋肉痛がひどい時もありました。
今では走り方を覚え、足裏も強化されたようで、かなりフツーに走れるようになりましたが、長時間、長距離のランで履く勇気はまだありません。
★トゥボックス=つま先部のカタチ
ボクの足は甲高幅広。
海外メーカーのシューズのものだと、幅が狭くて、
アッパーが伸びるナイロン素材でも、配されたガードの位置によって
伸びが足りないと、痛みが生じます・・・。
写真左のアシックスのゲルフジアタック5は、誰もが知る日本メーカーですが、小指の付け根部の足の最も幅のある部分にガードが配されていて、しかも幅がやや細身なこともあり、5時間程履いていると痛みが出ます。
写真右のアルトラのローンピーク3.0は、足指を自在に動かせる広いトゥボックスが特徴なだけあって、痛みが出たことはありません。が、足指の自由さに、最初はホールド力の無さを感じます。履くごとに慣れてきて、それが心地よさになりましたが、それが苦手という人もいるかもしれません。
写真中がHOKA ONE ONEのトレント。幅は広めですが、トゥボックスの形状は通常のランニングシューズ同様です。今のところ、痛みは出ていません。
ボク同様に、特に女性は普段から足幅の窮屈な靴を履いていることで、
外反母趾等、足が変形している方を多く見かけます。
足が変形していると、なかなか自分の足に合うシューズと出会えません。
アッパーの素材が皮革ではなく、
ナイロン素材だと伸びるので足に痛みが出にくいです。
そしてガードの位置が少しずれるだけでも、
痛みが感じられにくくなることもあります。
根気強く、試し履きしてみてください。それしか方法はないですし、
それでも失敗することもあります・・・。
★横方向のグリップ力の高さを感じるトレント
写真は左からアルトラのローンピーク3.0、HOKA ONE ONEのトレント、
アシックスのゲルフジアタック5のソールパターンです。
アルトラ、アシックスは1年以上履いているので溝=ラグがすり減ってきていますが、
グリップ力はHOKA ONE ONEのトレントが最も強く感じられます。
特に、下りで細かいステップを踏みならジグザグに下りて行く際のグリップ力、足さばきのよさが秀逸です。とはいえドライなトレイルでしかランしていないので、ぬかるんだトレイルでどれくらいグリップしてくれるかは、まだわかりません。
ですが、装備されるラグの深さ、アウトソール外側に配されたラグから想像するに、
かなりのグリップ力を提供してくれそうです。
★シューズ内はやや暑さを感じる
HOKA ONE ONEのトレントのインソールを外すと、
シューズ内の底部には小さな穴が開けられていました。
通気性を考慮したものと思われますが、気温が高い時には、
アッパーのメッシュ地がムレを排出してくれていますが、
足裏に暑さを感じました。ミッドソールの素材の特性なのか、
それ以外になにか問題があるのかは、まだわかりません。
また、気温が30℃を超える日のアスファルト上のことなので、
トレイルではそこまで暑さを感じないだろうとも思えます。
★今回は、山で使用する前に近所のランニングコースや短いトレイルでの足慣らしでの結果を基に、この記事を書いています。近々、トレントを履いて山をラン&ハイク予定なので、その結果もお伝えしようと思います。
トレントの持つ、クッション性、反発力、軽さが、山をラン&ハイクした際に、そのチカラをどう発揮してくれるのか、とても期待しています。
最後に、近所のランニングコース、農道のトレイルをテスト・ランした際の動画です。
街のアスファルトでも、山のトレイルでも、海沿いのビーチでも、自然を感じながらカラダを動かすことは、 ランでもハイクでもウォーキングでも、さらにはヨガでも、心地よく、満たされる時間です。
その時間は非日常だけでなく、日常のすぐ傍にもあるはずです。
皆さんに、満たされた時間が多く訪れますように!