山の日の翌日、混雑する山を避けて静かな森歩きを楽しみに出掛けたのは、奥日光。
その手前、中禅寺湖や戦場ヶ原には予想通りたくさんの人だったみたいだけれども、針葉樹と広葉樹が混じり合った、自然の深さを感じられる森は、清閑さでボクらを包んでくれた。
目指すは山間に佇む、刈込湖・切込湖。2つの湖は、途中細い水路のような場所で繋がっているけれども、今年は雨が少ないからか、水量がなく、2つの湖になっていた。
スタートは湯元温泉の源泉から。
こんな小屋のなかに、各旅館の源泉がある。
硫黄の香りが漂い、足元の湯だまりからはプクプクと泡が出ている。
源泉から急登をつづら折りして金精道路まで登りつめ、
奥日光らしい森に入ること30分。最初の休憩ポイントの小峠。
峠の大岩からは、水がしみ出ていて、濃い緑の源を思った。
進むほどに森は神秘さを増していく。
人里は遠ざかり、
自然らしさが優位になっていく気配。
「なにか、いるね!」
ひとりが呟いたコトバに
全員が頷く。
「以前にも教えましたよね。これ、なんて木?」
と質問するも、すぐに看板が出ていて間違いだと判明・・・。
「前に見たヒノキと少し違くない?」と問われ
「確かに・・・少し勢いがあるね」と答え・・・。
正解はヒノキの仲間のアスナロ。
ヒノキよりも葉が大きいと看板に書いてありました。
深い森は潤いを増し、苔の森に。
スギゴケの一種? まったく違う?
ニンゲンの目からは凝縮された世界。
世界を俯瞰できる眼差しを獲得できる瞬間。
この世界のなかから学べることも多くある。
刈込湖。
日光を開山した勝道上人が、大蛇を討伐したとされる湖。
秋には豊かな紅に彩られ、
冬には完全結氷して湖上を歩けるモロクロームの世界。
そして夏は、静けさが佇み、穏やかさが吹き抜けていく。
湖畔でランチ。
もう少し晴れていたら景色はサイコーだったけれど、
曇っていたおかげで、心地よさのなかでお昼を過ごせた。
「この風景、アメリカで見た湖に似ている!」
という声も。自然の不思議。
刈込湖・切込湖は、南側の少し高いところにトレイルが付いていて、
梢越しに煌きを眺められる。
今夏は刈込湖と切込湖は分断され、2つの湖になっていた。
大きな流木、倒木が重なり、自然の荒々しさがあった。
雪の重みで幹の根本が曲がった木々。
雪深さを知る。
「この中にすべてがあるね」
そのコトバ通りの景色。
鬱蒼とした森は少しずつ開け
涸沼と呼ばれる草原に変わった。
箱庭のようなその風景は
森からサバンナへと出た、
ボクらニンゲンの進化の歴史を刺激するのか、
カラダの奥底から心地よさで満たしてくれる。
そして再び森へ。
彩りは少しずつ変わり
漂う香りも変わる。
コゲラのドラミングがトントントンと響き、
ガサガサという音が笹野原から聞こえて来た方を見れば、サルの群れ。
急な木段が最後の足の力を奪う。
「なんで、そんなに早く木段を降りられる?」
と質問される。
「筋力!」
と答えると、
「元も子もない!」
と返される。
でも、本当のこと。
毎日10回でもゆっくり上下させるスクワットをやり続けてみれば
1ヶ月で成果は出てくる。
それと歩いた筋肉が落ちてくる前に
再び山に行くこと。
山のチカラは、山でつけるのが一番効果的。
ゴールは日光アストリアホテルの、光徳温泉。
スタートの源泉からひかれた温泉。
すでに山のなかには秋の気配が。
思っているよりも
早く移ろっていく季節に戸惑いを感じつつも、
この一瞬をもっと大切にしたいと思った夏の盛り。
「奥日光。日帰りできるなんて思わなかった。季節も変えて、また来たい! ちょい山CLUBらしく、お盆休みなのに、ちゃんと人少なめのもGOOD!」
「小さな湖もよかったけれど、山のなかにぽっかり開いた草原もよかった。こういう森歩きは、好き!」
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