ハイクの楽しみって、なんだろう?
秋のはじまりにハイクしてみて、光の存在を感じました。
展望とか空気とか彩りとか、
はたまた生命力の強さとか儚さとか息吹とか・・・。
それらは、ハイクして、山にいて、運がよくなければ、
出合えないものです。
そしてボクらは今回、
柔らかな光に包まれて
秋のやさしさを見たのです。
登ったのは『三頭山』。
『みとうさん』と読みます。
『御堂山』とも呼ばれていたそうで、
麓の数馬にある蛇の湯温泉・たから荘の説明書きでは、
かつて奥多摩の秘境と称されていたとあったのを読んだことがあります。
でも今は『都民の森』として、多摩川最大の支流・秋川の源流として整備され、
その駐車場にある茶屋で休憩をしに大勢やってきます。
ハイカーも、JR武蔵五日市駅からバスで50分と
交通アクセスがよくない割に、訪れる人が案外多くいます。
静かな山歩きを標榜するちょい山CLUBとして「どうなの?」
と疑問を持った参加者がいたと思うけれど
静かな歩きは後半、三頭山~西原峠~数馬だったのです。
都民の森の入口からは
鞘口峠を経て、ブナの路を行き、三頭山へ。
よく整備された登山道は歩きやすいです。
でも都民の森の駐車場の標高約1000mから
標高1531mの三頭山山頂まで一気に500mの登り。
ビギナーには案外キツいので、
ゆっくりのんびり休み休み、約2時間。
ブナの路の九十九折まで来ると
梢のフィルターと透過する光が印象的に。
それは5月の新緑の頃とはまた違った碧さです。
ほんのり赤みを帯びた葉も混ざり、深い秋を想像できます。
展望台でひとやすみ。
三頭山の東峰の直下の登山道からは、富士山が!
やさしい光の絨毯。
一足早い秋の彩り。
三頭山山頂からの富士山
アップにすると、空気のグラデーションの淡い景色でした。
三頭山から北側の奥多摩を望む。
こちらは順光で空は青く、山並みはくっきり。
山頂でランチ後、笹尾根を進みます。
三頭山の避難小屋脇では、前週に行われた日本山岳耐久レース~ハセツネ~の
スタッフやランナーが休み、整備登山しているツェルト村がありました。
PONCHOもこれまで7回参加・完走しているけれど、
一度、ココでココロが折れかかったことがあったっけ・・・。
今回の参加者のなかにも一度参加・完走した女性がいて、
それぞれの71.5キロの旅を話しました。
来年は参加しようかな。
避難小屋では、トイレ休憩。
西原峠手前の広場で森ヨガ。
落葉すれば、もっとキモチよい場所になるのだけれど
紅葉前は秋の午後の斜光を感じて。
夏と違って虫もほとんどいなくて
爽やかな秋の空気をカラダに巡らせました。
笹尾根最後の展望地でもある、西原峠で。
西の山並みを眺めるみんなは、
不思議な柔らかな光に包まれていました。
高い山からの景色も美しいけれど、
里に近い低い山からの景色だって、
趣の異なる美しさがあります。
その景色のチカラを素直に感じて
受け止める人の姿にも、
美しさは宿るのだと思います。
数馬への下山道は、鬱蒼とした森、人工林の合間に
里が近づいていることを知らせる小花が
所々に姿を出しました。
さらに陽光は傾き、秋の早い日没を歩く。
杉林の合間から三頭山方面を見上げる。
下山後は数馬の湯へ。
ゆっくりあたたまって外に出ると
ま~るく黄色い月がありました。
今回は美しい光のなかのハイクでした。
美しい光は、いろいろなものを見せてくれました。
今年3月からはじめた『ちょい山CLUB』初の満員5名の参加者さんたちとのハイク。
それぞれに、なにかを感じられるハイクであったらなと、思います。
また、山で会いましょう!