『ちょい山CLUB』

低山ハイクとヨガをMIXしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』の主宰ライター・ポンチョの日記

登山をはじめたい、ひとりで登るのは不安 ・・・という山好き初心者を対象にした、首都圏近郊の低山歩きとヨガをMIXしたツアー・イベントです。 初心者の方を事前準備からサポートし、登ってみたいと思っていた山に一緒に登り、見たことのない風景、木々や山々との一体感を味わえる、ツアー・イベントを提供しています。 参加申込後、山歩きで揃えるべき基本的なウエアや道具、今持っている道具は使えるの? など、選び方の基本やアイテムの解説・リストをお教えする【お買い物相談】の特典が付きます! ひとりでは楽しめないと思っていた山を『ちょい山CLUB』で存分に楽しんで下さい!

ハセツネ優先エントリー権

 

4月2日に距離短縮で開催されたハセツネ30Kで

男子1000位以内で完走した特典として設定されていたのが

秋、10月8~9日に開催される日本山岳耐久レース

長谷川恒男カップの優先エントリー権。

昨年、一昨年とその権利を狙ってハセツネ30Kに参加。

しかしギスギスした感じが堪らなくイヤで最後尾からスタートしたものの、

スピード不足でまるで話にならず・・・。

今年は距離短縮もあり、ギスギスや割り込みへのイライラに耐えて、

全体の中程からスタートしたものの、その速さに驚いた。

でも、なんとか自分のペースを維持して851位でゴール。

果たして、優先エントリー権はもらえるのかと

本日予定されているメール通知を少しドキドキしながら待った。

 

結果、10時前にメールが届いた次第。

 

ハセツネ、今回でたぶん8回目。

ダイエット目的ではじめたランニングの目標として設定した

ハセツネをはじめて走ったのは

確か34~35歳の頃だったから、もう12年くらいも経つ。

 

趣味というかダイエットとして走り出し、

アウトドア好きで、まだハセツネ黎明期に取材したことがあり、

いつか機会があればと思っていたことがきっかけだったけれど、

その後トレランの雑誌が発売され、ライター仕事として走ったこともあった。

ベストは15時間40分くらい。

 

いろんな人とハセツネを通じて出会い、

しかし知り合いの多くは参加することもなくなり、

加熱した状況が続いてトレランをやめてしまった人もいる。

 

ボクもここ数年はあまりレースには出ず、

ひとりで山を走ることがメインになっていた。

 

でも、ハセツネはおもしろい。

それは事実だ。

 

限界というのは自分、つまり脳が設定するもので、

カラダの限界は脳が設定したよりも、

まだ先にあることを教えてもらった。

 

夜を走るハセツネ。

エネルギー補給の重要性を知らなったときには

ハンガーノック、つまりガス欠、エネルギー不足に陥り、

背負ったバックパックの中に入れた携帯食を取り出すこともできなくなり、

脳から指令をぼんやり出しても、カラダが反応しない状態になり、

それでも夜明けを知らせる小鳥のサエズリに力が少しずつ入り出し、

空が白々しだすと、太陽の光がカラダーにパワーを与えてくれる経験もした。

光はそれ自体がエネルギーなんだと、驚きの発見だった。

 

第1関門までは先を急ぐランナー、しかし渋滞で進めない焦りから

イライラが多くの人に充満しているけれども、

三頭山を過ぎ、疲労の色が濃くなりだすと、

欲が薄まってくる。

誰かに勝ちたいとか、12時間を切りたいとか

諦めたところから、または諦めずとも

それとは違うベクトルで前に進み出したところから

本当のジブンのチカラが試される。

ボクの場合は、欲が薄まると、吸収力が高まる。

すると追い越す際に掛けた、または掛けられた

「頑張りましょう!」

のコトバが前に進むエネルギーになる。

掛けられただけでなく、掛けたコトバも

ジブンのチカラになる。

そのチカラは計り知れない。

ボクはライターとしてどんな想いでコトバを紡ぎ、

読む人に提供できるかを真剣に考えるようになったのは、

ハセツネを走るようになってからだった。

 

そのハセツネを3年ぶりに、今秋走ることができる。

 

今のカラダであれば、ベストは更新できるだろう。

でも、タイムじゃない。

スタートからゴールまで、

諦めることなく、キモチを折ることなく、

カラダを見つめ、カラダと会話しながら、

淡々と前に進み続けること。

参加したランナーのひとりとして、

ハセツネという場を楽しく、美しいものにするため

チカラを尽くすこと。

 

ただ、それだけ。