『ちょい山CLUB』

低山ハイクとヨガをMIXしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』の主宰ライター・ポンチョの日記

登山をはじめたい、ひとりで登るのは不安 ・・・という山好き初心者を対象にした、首都圏近郊の低山歩きとヨガをMIXしたツアー・イベントです。 初心者の方を事前準備からサポートし、登ってみたいと思っていた山に一緒に登り、見たことのない風景、木々や山々との一体感を味わえる、ツアー・イベントを提供しています。 参加申込後、山歩きで揃えるべき基本的なウエアや道具、今持っている道具は使えるの? など、選び方の基本やアイテムの解説・リストをお教えする【お買い物相談】の特典が付きます! ひとりでは楽しめないと思っていた山を『ちょい山CLUB』で存分に楽しんで下さい!

2019年9月14日 景信山・お月見ハイクレポート

案内人のPONCHOです。

昨日4人の参加者とともに、満月の出を見に、景信山へと登ってきました。

遠くの地平線のすぐ上に雲が張り付いていましたが

その雲の薄い隙間から赤い月の姿がボンヤリと見えた時、

ボクたちは、誰もが声と笑顔を弾ませました。

ただ月が出てきただけ。

赤い大きな月がほんのり見えただけ。

それだけで浮き立つ心。

街という日常の空に浮かぶ、ギフト。

ボクたちが暮らす場所は、山とか空とか、その向こう側の宇宙とか、

広くて大きくて美しいものに包まれています。

当たり前のことだけれども、

当たり前を改めて感じられることのシアワセ。

 

さて、ハイクはJR中央線高尾駅からバスに乗って30分、小仏バス停から。

秋の3連休の初日。

時間は16時。奥高尾を楽しんできた多くのハイカーが

増発便3~4台のバスに乗って帰って行きました。

夕闇が迫る中、山に入っていくボクらに対して、

山から下りてきたハイカーたちは、

「どこに泊まるの?」「陣馬山まで行くの?」

と質問をしてきました。

「ナイトハイクです!」

「景信山で満月を見ようと思って!」

とワクワク気分で答えるボクたち。

こういう時のマイノリティーさは、

ちょっと特別な感じがあります。

 

山に入ると、谷川沿いのトレイルには、秋の花が彩りを見せてくれました。

ハイク中にこの花の名前を聞かれましたが、その時はわからず・・・。

もう何年も山を歩いていますが、花の名前を覚えることは難しいです。

で、調べてみると、これはシュウカイドウ(秋海棠)というそうです。

ベコニア属の植物だそうです。そうわかってみれば、確かにベコニアに似ています。

 

これは、アジサイのなかでも、タマアジサイと呼ばれるものだそう。

 

これはシラヤマギク。可憐ななかに力強さを感じます。以前に調べたことがありましたが、完全に忘れておりました・・・。

 

小仏峠から見えた八王子方面の景色と、虫に食われた葉っぱ。

朽ち果てる一瞬前、ボクはこういう風景を見ると、やさしい気分になります。

 

小仏峠にあるお地蔵様。生けられた花は造花でした。

 

歩き出しは、少し雲が多めでしたが、少しずつ雲が取れてきました。

お月見に、期待が膨らんできます!

 

登ってきた山並みの向こう側に相模湖が見えます。

間もなく景信山山頂です。

 

到着~! 

景信山山頂は東側の風景が開けていて、

茶屋もあり、木製テープル&チェアがたくさん設置してあるところ。

お昼前後に来ると、たくさんのハイカーで賑わっていますが、

18時頃にもなれば、茶屋も閉まり、だ~れも、いません!

つまり、貸切~~~!

 

参加者のおひとり、アキコさんが持ってきてくれたウサギのマシュマロ!

お月見する前に腹ペコすぎて、ぱくり。

 

ちょい山CLUBも、お月見団子を用意して、皆さんに食してもらいました。

こちらもお月見前にぱくり(笑´∀`)

お腹が空いたということで、ヨガは後回しにして、先にカップ麺やおにぎりを食べていると、東の空からボンヤリとした赤い月が昇ってきました。

 

そして、いよいよお月見です。

ヨガをする予定でしたが、せっかく美しい月が見えているので、

呼吸法を少しだけやって、後は20分近く、それぞれに月を見てもらいました。

最初は山までやってきた街の音が優勢でしたが、

月を見て、心を静かにしていくと、

秋の虫の音色が大きく聞こえるようになってきました。

月の色は、赤からオレンジ、黄色がかって、やがて白くなり、

それとともに高度を上げていき、青白い光でボクらを照らしてくれました。

 

下山途中、ヘッドライトを消して、森の中で暗闇を感じてもらいました。

すると、遭難したら、夜の山はやっぱり怖いし心細いと、皆さん話していました。

そしてボクが奥多摩を一昼夜走るトレイルランニングレースに出ていることを話すと、

「なんで夜の山を走るレースに出るんですか?」と聞かれました。

普段、夜の山を走ることはほとんどないけれど、レースでならそれを経験できるからと、その時は答えましたが、ちょっとカッコつけすぎかなと思って、言わなかったことがあります。

それは、「怖さの向こう側、またはすぐ隣に、自然の一部になれる野性みたいなものがあることを感じられるからなんです」。

 

たぶん満月の出を見つめたボクらも、自然とか宇宙の一部であることを感じられたと思います。雄大な景色を見ると、人間は儚く、弱く、小さいと感じる人もいるかもしれません。でも、こんなに広くて、大きくて、美しい風景の一部でもあると思うんです。

そんな目線の変化こそが、山を登る理由のひとつにあるのかなぁと思うんです。

 

それでは皆さん、またどこかの山で会いましょう!