案内人のPONCHOです。
今回はちょい山CLUB発の離島でのイベント。
前泊して参加、イベント後に後泊、そして前日フェリー発大島早朝着で午後2時35分出港の高速船で帰京する0泊2日の弾丸組と、それぞれの都合に合わせて、全5名が参加してくれました!
大型客船あぜりあ丸が大島・岡田港に到着した時間は、6時。
雲ひとつない空は朝焼けして、朱色と濃紺のグラデーション。
その美しさは、大島に歓迎されている気分です。
三原山山頂の少し手前、大島温泉ホテルからスタート。
すぐに樹海と呼ばれる森歩き。
伊豆の天城山になるアセビに似た木々のトンネル。
伊豆大島のすぐ隣は伊豆半島、植生が似ています。
そしてトンネルを抜けると、朝陽を受けたススキ野原です。
多くのススキ野原は観光客で混雑していますが、
早朝ということもあって、この美しさを私たちだけで満喫できました。
そしてススキ野原の向こうには、凛とした青い空の衣を纏った三原山です。
しかし「あそこに登るんですよね? 随分遠くないですか?」
という不安の声が聞こえてきました・・・。
歩く程に、景色は次々と変化していきます。
ココ三原山は、島の中心部にギュッと大地の変化が詰め込まれています。
ススキ野原の中に、溶岩の奇岩群が現われてました。
光と影、破壊と再生、諸行無常・・・。
なにかが現われるまでの、ほんのひととき。
地球、または宇宙の途方もない時空の流れを想えば、
私たちも、この自然も、ほんのひとときを表現するものなのです。
ススキの穂のキラキラと
吹き抜ける風の間を
私たちの笑顔が揺れていました。
空と大地と海。
美しさに抱かれるシアワセ。
小さな島の中で、星を意識する瞬間が続きました。
私たちが暮らすトーキョーのすぐ傍に
私たちが忘れてしまった
しかしとても大事な感覚がありました。
高度を上げていくと、 遂に噴火口が見えてきました。
1986年の噴火以降も、この火山はまだまだ活動を続けているのです。
トレイル脇に水蒸気が上がっている場所が。
そっと触ってみると、ほんのり、あたたかい。
温泉のようです。
生きている地球を、触れて確かめられます。
そして噴煙が上がるすぐ上を、歩けます。
お願いだから、今噴火するのだけはやめてね・・・
そう思いながら、進みました。
内輪山の上を歩けば
相模灘の向こうに伊豆半島、富士山、丹沢、房総半島を見渡せます。
そして遠くには南アルプスの山並みも!
特に海越しに見る富士山の姿は新鮮。
海の広がりのせいか、なんだか少し小さく、低く見えます。
地球内部のエネルギーが放出される火口。
そこはやはり時の流れが、麓や街とは違います。
エネルギーを放出しているはずなのに
私たちのちっぽけな悩みや邪念を
吸い込んでいるようにも思えます。
ただそばに立つだけで
気分がキレイさっぱりしてくるから、不思議です。
さぁ、今度は砂漠へと下ります。
PONCHOが道を間違えて、少し遠回りしましたが・・・。
大島は『ジオパーク』という名前が付いていますが、まさにジオラマ的。
少し移動すると、まるで違う風景が待っています。
ココは幻の池。等間隔に並べられたような石と岩。
意志があるような、自然の造形。
不規則な規則性。
私たちが心地よいと感じる距離感。
地球を感じる大きな時間の流れが、目の前に広がっていました。
広い視野は、遠い目線を生み、今なぜココにいて、これからどこへ向かうべきか、
ぼんやりと考えるきっかけを与えてくれたようです。
私の場合なら、もっと多くの風景を見なければならない!
私たちは美しい景色の一部でした。
私たちは光の波のなかを泳いでいたのでした。
私たちは感じることを改めて学びました。
私たちは地球のエネルギーを間違いなく取り込みました。しかも、強く!
街に下りてきて驚いたのは、
街に流れている時間と
自分の中の流れている時間が
すっかり違っていたことでした。
ジンセイが変わるかどうかなんてわかりません。
でも、今回の山旅で、私たちにとって大事なものはなにか。
それが、これまでよりくっきりしたことは確かだと思います。
また、どこかの山で、素晴らしい時間を共有しましょう!!